ショートリプレイ「夢違(ゆめちがえ)」

text:安藤 昌季(スタジオサウスサンド)

  1. ゲーム開始前/基礎的な舞台設定の説明
  2. キャラクター作成/【能力値】についての説明例
  3. 《アクセス》の説明・取得例
  4. 那須 恭一、帰国せり/[アンカー][経験点プール]の説明例
  5. 奥の院に向かう/[デザイア][サブGM]の説明例
  6. 当主の人柄/[一般人判定]、GMへの[デザイア][ベクトルカード]の説明例
  7. 珠子の危機/行為判定、《盟友》召喚、《共鳴》条件の説明例
  8. 臣下たるもの/[ベクトルカード]での追加行動、《共鳴》発生の説明例
  9. 那須の全力/[経験点プール]の使用、《盟友》の[デザイア]計算の説明例
  10. 真桜の決意/《アポート》での武器作成の説明例
  11. ゲーム終了後/セッション後の[経験点][デザイア]精算の説明例
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■主な登場人物

那須 恭一(なす・きょういち)/29歳・男性
 《九曜家》当主・九曜 珠子の異母兄・九曜 剣に仕える《要》(かなめ:要人警護職)。《アクセス》による符術を用い、式神を操る陰陽師。外遊中の剣に付き従い、渡米していた経歴を持つ。
 部下の篠原 真桜をからかって遊ぶのが好きな困った人だが、シリアスな場面では一転して真面目な表情になる。キャラクターイメージは「現代の安倍晴明」。
イラスト:ちゃ
篠原 真桜(しのはら・まお)/23歳・女性
 九曜 剣に仕える《備》(そなえ:戦闘指揮官)。那須 恭一の部下に当たる。
 那須や剣にいつもからかわれている、生真面目で照れ屋な性格の女性。
 《ホワイトカオス》から無限に取り出せる小型の投げ苦無(くない)を武器とする、「現代のくノ一」。
イラスト:七荻東
九曜 剣(くよう・つるぎ)/25歳・男性
 九曜家当主・九曜 珠子の異母兄。アメリカに外遊していたが、前当主・司の死、姉・美鏡の昏睡によって九曜家に呼び戻された。現在は「左局」と呼ばれる武力組織の長。外国暮らしが長いためか、九曜家の古き因習に対して否定的。一時期、九曜家に敵対する勢力と通じていたとの噂もある。
 その真意はすべて、高貴な微笑みと、周到な計画性のもとに押し隠されている。
イラスト:板川な奴
九曜 珠子(くよう・たまこ)/14歳・女性
 神代より日本に存在する《イモータル》を束ね、律して日本を守護してきた一族・「九曜家」の現当主。正当な当主の証、「九曜星のアザ」を持って生まれたため、前当主であった父の死後、7歳で後を継いだ。心優しい人柄で配下の者たちに慕われている。
 病弱な身体だが、邪悪な《タイラント》を封じた神宝《綴れ勾玉》が四散しないよう、常時結界を張っている。未来を見通す「星読の力」を強く持つ。
イラスト:亜浪
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1.ゲーム開始前/基礎的な舞台設定の説明

 『ホワイトカオス』のゲームセッションは、ゲームの主人公となるプレイヤーキャラクター(以下PC)の作成から始まります。
 まずはゲームの司会・進行役であるゲームマスター(以下GM)が、各キャラクターを担当するプレイヤー2人に説明します。

GM:というわけで、今日は『ホワイトカオス』をTRPGとして遊んでみようと思うわけさ。

プレイヤーA(男性):とりあえずPCを作成するんだったな。

プレイヤーB(女性):今日はどんなPCを作ればいいの?(注1)

GM:二人とも連載第3話から登場している《九曜家》に仕える人物という設定です。《九曜家》というのは、この日本を歴史の影から霊的に守護してきた勢力の頭領格の家柄ですね。この家は、“三種の神器”をはじめとする神宝を管理し、表の政府では対処できない呪術的な事件に対処する使命を持っています。
 そうしたこともあり、主な構成員は超能力者《イモータル》です。もっとも《九曜家》では《能力者》と呼びますが。

プレイヤーB:呪術的な事件というと?

GM:《能力者》が起こす事件や、これと同じ力を持つ《異界》の生物(注2)は、時間を止める力《ホワイトアウト》――《九曜家》では《時渡り》と呼びますが――を持っています。ですから、警察や自衛隊では対処できないのです。


プレイヤーA:つまり、現代のサムライとか陰陽師になって、妖怪と戦う、と。

GM:そんな感じ(笑) で、あなた方(PC1、PC2)は《九曜家》内「左局」と呼ばれる武力組織の長である九曜 剣に仕えています。PC1が剣を警護する親衛隊長役である役職・《要》です。PC2が「左局」の戦闘指揮官である《備》。《要》《備》の細かい説明は省きますが、今回のシナリオでは、《備》は《要》の部下となります。

プレイヤーA:了解。では《要》を担当しようか。

プレイヤーB:ということは部下の《備》ですね。お手柔らかにお願いしますね〜。


 注1:『ホワイトカオス』では、作成したPCとGMが用意したシナリオとの相性をよくするために、配役の指定を推奨する。

 注2:《九曜家》では《異界》の生物を妖物と呼ぶ。
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2.キャラクター作成/【能力値】についての説明例

GM:キャラクター作成だけど、読者の方はここからキャラクターシートを手元に置き、見ながら読むと解りやすいと思います。手順ですが、まずは10点を【能力値】に割り振ります。キャラクターシートに【強度】【制御】【反応】って○枠があるでしょ? その小さい○欄に割り振った点数を書いていくわけ(注3)。大きい○欄は、ゲーム中に【能力値】が成長したさいに使用するわけです。

プレイヤーA:で、どうすれば有利なんだ?

GM:いきなりですね(笑) 何とも言えません。【強度】が高ければ[行為判定]の成功度合いを示す[達成値]が高くなります。また、超能力で呼び出す武器の[武器威力]についても上限が高くなります。[武器威力]が高くなれば[範囲攻撃]などで、複数の敵を攻撃することができたりします。

プレイヤーA:なるほど。

GM:とはいえ【制御】も重要です。【制御】は超能力を使った時に、その暴走を抑制する【能力値】です。具体的には【制御】+2点の回数まで、超能力《アクセス》を使用できるわけです。この点数を[暴走抑制点]と呼びます。[暴走抑制点]はゲーム中に[サブGM]をすれば獲得できますが、獲得できなければ、暴走してNPC化する危険があります。

プレイヤーB:NPC化したらどうなるんですか?

GM:PCではないわけですから、どうなるかはGM次第ですね。暴走して叫び出すとか、気絶するとか、あらぬ方向に走り出すとか。とにかくPCではなくなるので、プレイヤーが動かせなくなります。

プレイヤーA:動けなくなるんじゃ困るな。

GM:さらに【制御】は、自分が使役する異世界の存在・《盟友》を召喚するさいに、その存在が持つ【能力値】の上限を決定する働きもあります。

プレイヤーB:《盟友》使いだと特に重要、と。じゃあ【反応】は?

GM:「行動する順番」に影響します。このゲームでは[結界]を展開しないと、敵の攻撃が即座に致命傷となってしまいます。ですから「敵より遅い」ことは、時に致命的となります。

プレイヤーA:奇襲を受けて、即全滅、みたいな?

GM:そうですね。ですから「どの【能力値】も重要」なのです。

プレイヤーA→那須 恭一:じゃあ【強度】3【制御】6【反応】1にしよう。基本は《盟友》使いで、自分でも攻撃とかしたいので、【強度】もそこそこ高くしてみた。名前は那須 恭一(なす・きょういち)。29歳、男性です。イメージは現代の安倍 晴明。式神と称して《盟友》を使う、みたいなイメージで。

プレイヤーB→篠原 真桜:わたしは【強度】2【制御】4【反応】4にしますね。Aさんが遅いPCなので、わたしは速めで。名前は篠原 真桜(しのはら・まお)。23歳、女性です。そっちが安倍 晴明なら、こちらは真面目一辺倒なくの一(笑)ということで差別化します(注4)


注3:本当は《要》で60〜70点、《備》で40〜50点ぐらいの【能力値】を持つが、今回は初期PCと同じ10点のPCで説明する。

注4:PCの性格設定が被ると、見せ場も競合するので、このような意識的な差別化は重要である。初期立ち位置で「PC間で上司・部下」となっているのも、立ち位置が重ならないようにするためだ。
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3.《アクセス》の説明・取得例

GM:では、次は《アクセス》の説明です。全てのPCは初期《アクセス》を保有しています。肉体を強化し、時間が凍結する《ホワイトアウト》現象を知覚できる《フェアリーアイズ》。《ホワイトカオス》から物品やエネルギーを拾い上げる《アポート》・ダメージを防ぐ[結界]を展開する《パッシブウォール》です。この3つの他に、好きな《アクセス》を3種類選べます。

真桜:何を選べばいい、みたいなのはあるんですか?

GM:どのような《アクセス》を選んでもルール的な不利・有利はありませんので、好みのものを選んでください。組み合わせることもできるので、超能力の描写を考えやすいものを選ぶのがよいかと。ちなみに、《アクセス》は[召喚系][投射系][白兵系][感覚系][行動系]の5系統に分類されています。同じ系統の《アクセス》を複数取得すると、《アクセス》を使わない判定である[一般人判定]が有利になります。

那須:色々やりたいので、同じ系統の固め取りはしないでおくよ。《シューティングスター》/[投射系]、《ブルーウォーター》/[感覚系]、《パペットマスター》/[召喚系]を取得しよう。《シューティングスター》はダメージを与える式札を飛ばすのに使い、《ブルーウォーター》は思わせぶりな推理風会話とか、そんな感じかな。で、《パペットマスター》で“直剣を構えた仁王像”のような《盟友》を呼び出す!

GM:《盟友》を使うなら[無害な姿]も設定しておくれ。

那須:じゃあ、[無害な姿]として普段は「名刺ぐらいの式札」として所持していることにしよう。

真桜:わたしは《ハンター》/[投射系]、《シリーウォーク》/[行動系]、《ドッペルゲンガー》/[感覚系]を取ります。苦無(※投げナイフ状の手裏剣)を《ハンター》で投げるのですよ。で、くの一なので、行動を隠すために《シリーウォーク》。《ホワイトアウト》しても移動制限がなくなるのは便利そうですし(注5)
 《ドッペルゲンガー》で見知った人物に変身できるのも役に立ちそうです。

 注5:《ホワイトアウト》すると水面や火焔などが凍り付き、固まるため、通行できない箇所がある。
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4.那須 恭一、帰国せり/[アンカー][経験点プール]の説明例

GM:ではゲームを始めましょう。細かなルールはおいおい解説するということで。

那須:もうPC完成か……! なんて速いんだ(笑)

GM:慣れたら3分で作れます(笑) ただ「これで最強!」という選択肢はないので、その意味で悩みますが。
 さて、あなた方二人は、東京の中心部にある《九曜家》内の邸宅にいます。二人が仕える《九曜家》の要人・九曜 剣は長らく渡米しており、那須は剣と共に久しぶりに帰国したわけです。で、真桜は、那須を部屋まで案内する任務を承っているという状況です。

真桜:じゃあ「こちらでございます」布団だよ。畳だよ〜。

那須:深呼吸して、「いや〜。懐かしいね、この匂い」。ちらっと外をみながら「よくも悪くも変わってないな」。

GM:思わせぶりで渋いですね。[アンカー]を1点あげましょう。[アンカー]というのは、そのプレイに共感したときに渡せるポイントで、PCのNPC化を押さえる働きがあります。GMは1〜3点。プレイヤーは各自1点を与えることができます。
ただ自分で自分には挙げられません。あと、初期[アンカー]として【能力値】合計と同じ点数。つまり10点保有しています。

真桜:じゃあわたしも1点渡します。渋いので。

GM:では、お二人とも[経験点プール]の欄に[経験点]を1点加えてください。

那須:[経験点プール]?

GM:GMを含む参加者の半数から[アンカー]を与えたときに、[経験点]が1点増えるんです。この[経験点]は、[経験点プール]にプールされており、PC全員が好きなときに使うことができます。「この敵には絶対負けたくないのでパワーアップしたい」とか「演出的にこの《アクセス》を持っていたことにしたい」といった具合に、物語の盛り上がりに合わせて、PCをカスタマイズできるのです。ただし、他のプレイヤー全員とGMの許可を取ってくださいね。

真桜:じゃあ「……変わっておりませんか」と返そう。

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5.奥の院に向かう/[デザイア][サブGM]の説明例

那須:「よくも、悪くも、ね」と暗い目で答える。過去に日本にいたさいに何かあったらしい(笑) [デザイア]を自主的に1点増やしておこう。

GM:では[デザイア]について。基本的には[アンカー]とは逆に「共感できないプレイング」に対して、発生するネガティブなポイントです。GM、もしくはプレイヤーの半数から[デザイア]をもらった時に、[経験点]が減ります。この場合は、那須さんが自主的に増やしたものなので減りませんが。

那須:「いつも同じ所にいると、見えないモノもあるのさ」(←[アンカー]GM1点、真桜。[経験点]+1点)

真桜:じゃあキョトン、と素直な目をして那須さんを見ます(笑) (←[アンカー]GM2点、那須。[経験点]+1点)

GM:ところで真桜さん。君は那須が荷物を置いたら、彼を《九曜家》当主・九曜 珠子さまのところへ連れて行かなくてはならないと、事前に言われているんだ。

真桜:そうですか……。「お召し変えが済んだころにもう一度参ります。珠子さまよりお呼びがかかると思いますので」

那須:「わかったよ真桜ちゃん。じゃあ着替えるから」

真桜:「まっ!?」。変な呼ばれ方で驚いて振り向くともう着替えはじめているってことで驚いて部屋を出ます。で、戸にもたれて顔真っ赤にしてゼーゼーって(←[アンカー]GM2点、那須。[経験点]+1点)。

那須:(おもしろいなぁ)とか思いながら、着替えます(←[アンカー]GM1点、真桜。[経験点]+1点)。

GM:じゃあ上司である剣さまが、外に出た真桜ちゃんの方に歩いてくる。「やぁ、恭一の部屋はこっちかい?」

真桜:「(恭一……?)はっ。こちらに」

那須:確かこのゲームでは[サブGM]としてNPCができるんですよね。じゃあ剣さまをやらせてください。ダメならリテイクということで。

GM:いいですよ。どうぞ。

九曜 剣(那須):じゃあ断りなく障子を開けて「やぁ恭一……じゃなくて、ここでは那須殿、だったね」。二人は主従以前に昔からの友人関係だった、ということにしてください。

GM:いいですよ。では[サブGM]の効果1「GMに依頼されたNPCの台詞・役割を管理する」で、[暴走抑制点]を1点あげます。那須さんの【制御】は6だから、+2して8点が初期の[暴走抑制点]だけど、これが9点に増えるわけです。

真桜:「剣さま、畏れながらお召し替え中ですっ」顔を真っ赤にするよ(←[アンカー]GM1点、那須。[経験点]+1点)。

剣(那須):「おっと、すまなかったね」

真桜:ちょっとやりすぎなので、彼に[デザイア]を(笑。GM同意。[経験点]−1点)。

那須:まぁ仕方ないね(笑) じゃあ取り乱さずに着替えを終えて「では参りましょうか」。

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6.当主の人柄/[一般人判定]、GMへの[デザイア][ベクトルカード]の説明例

イラスト:笹本ユーリ

GM:剣は用事があるとのことで、それだけ伝えると立ち去る。真桜は那須と剣を迎えに行った帰りなので、身支度はしているわけさ。で、二人が珠子さまの居られる“奥の院”に向かうと、たたでも寒い冬の空気がより、冷え冷えとしたものとへと変わる。それは冷気ではなく“妖気”であることが、歴戦の二人には理解できる。

真桜:「珠子さまはこの日本を護るために、邪悪な勾玉を封じる結界に身を置かれているのです。一時も休まれることなく。何ておいたわしい……」唇を強く噛むよ(←[アンカー]GM2点、那須。[経験点]+1点)。

那須:「そうか……」一瞬、言葉を失い。「那須 恭一、入ります」と珠子さまの部屋の前で声をかけよう(←[アンカー]GM2点、真桜。[経験点]+1点)。

GM:本来なら、お付きの侍女が障子を開けるのだけど、珠子の部屋は勾玉の妖気で満ちているため、君が開ける。見ると、注連縄とお札の結界に囲まれた祭壇に、当主・珠子は座っていた。
 彼女の周囲には、絶えず妖しい光を放つ勾玉が浮いている。那須が出国した1年半前よりも、その数は増えているが、まだ飛散する前の数には足りていない。全ての勾玉が揃えば、封印が完成し、珠子さまは解放されるのに……。君たち二人はその事実を再認識する。だが、結界を維持できるのはまだ14歳の少女である珠子だけなのだ。
 珠子は結界の維持に疲弊した様子であり、青白い顔をしていた。だが、その声は穏やかであり、はっきりしている。

 というところで[一般人判定]をして。[感覚系]の《アクセス》があれば一つごとに[達成値]を+3していいよ。

真桜:判定方法は(ルールを見ながら)6面体サイコロ2個を振るんですね。出目は8! [感覚系]の《アクセス》を一つ所持しているので+3して11です。

那須:こっちも[感覚系]があるので出目7に+3して10だ。

九曜 珠子(GM):じゃあ、二人ともわかるよ。珠子は穏やかな顔をしているが、それは演技だということが。彼女は猛烈な苦痛を覚えながらも、君たちを心配させまいと耐えている。で、やや幼さが残る声で「お久しぶりですね。よく日本に戻ってきてくださいました」と微笑むよ。微笑みなんて浮かべられるはずがない、はずなのに。

那須:なんて居たたまれないことを(笑) GMに[デザイア]をやろう。すまんが、真桜ちゃんもあげてほしい(真桜同意)。これで「なぜそのようなマスタリングをしたのか」説明しなくてはならないんだったな。

GM:そうですね。今回は説明リプレイだからいいですが、GMに[デザイア]はゲームテンポが悪くなるので、多用しないでくださいね。意図ですが、珠子の人柄を示すためと、あなた方に「珠子さまのために、勾玉を見つけ出す」という行動原理を与えたいからです(笑)

那須:くそぅ。では珠子さまの気遣いを尊重して、あえて「珠子さまも、ご健康そうでなによりです」と微笑もう(←[アンカー]GM2点、真桜。[経験点]+1点)。で、GMには[アンカー]を渡せないのか?

珠子(GM):渡せませんが、渡したい時は[ベクトルカード]をGMにください。ちなみに[ベクトルカード]とは「その人の見せ場」を渡すことで示唆するカードです。GMに渡すことに同意したPCには[暴走抑制点]が1点入ります(那須、真桜、同意)。じゃあ珠子は「気を使ってくれてありがとう」と、表情を緩めて微笑むよ。

真桜:心の中で血涙を流します(笑) (←[アンカー]那須)。

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7.珠子の危機/行為判定、《盟友》召喚、《共鳴》条件の説明例

イラスト:亜浪

GM:その時、異変が起こる。珠子が微笑み「わずかに」気を抜いたことをきっかけとして。突如として、勾玉が赤黒く輝き、見えない“力”が、珠子さまの華奢な体を締め上げた。彼女は暴走する“力”に耐え、それを押さえ込もうと苦悶の表情を浮かべる。瞬間、彼女の肩口がざっくりと裂け、鮮血がしたたり落ちる。

真桜:そして、勾玉から妖怪が吹き出て「忌々しい小娘め、八つ裂きにし、結界引き裂かん!」とか言うのですね(笑)

GM:妖怪をやったので[暴走抑制点]1点あげます。で即座に行動したい人に、[ベクトルカード]をあげよう(笑)

那須:ください! で[ベクトルカード]効果3[追加行動]を使って、式符を取り出し《パペットマスター》で《盟友》・凄王(スサノウ)を呼び出します。

GM:《アクセス》を使うさいには、[パワーレベル]を指定してください。判定は6面体サイコロ3個で。

那須:もちろんMAXで(笑) 出目は236なので、MAXの効果で2を5、3を6に置き換える。566で17!

GM:MAXの[クリティカル値]は16なので、16以上が出て[クリティカル]していますね。クリティカルしたら、また[パワーレベル]を決め直してください。

那須:ではLV1で。出目は556なので置き換えて666……あれ、ゾロ目だから《共鳴》かな?

GM:出目が[クリティカル]する場合は《共鳴》は起きませんよ。

那須:じゃあ18か。LV1のクリティカル値は17だから、クリティカル! 次もLV1で12。17+18+12に【強度】3を加えて[達成値]53です! 

GM:[デザイア]がMAXの8と、LV1を2回で4を足して12点増やしてください。あと、[パワーレベル]1以上を使ったので、[暴走抑制点]を1点減らしてね。那須さんの【制御】は6なので、6×2+10=22が《盟友》が持てる【能力値】の上限ですね。達成値は22以上出ていますから、22点を【能力値】に割り振ってください。

那須:過剰な達成値が出てしまったな(笑) では22点を【強度】15【制御】4【反応】3と割り振ろう。[武器強度]と[結界強度]は【能力値】の1/2か。では11で。
 で凄王を呼び出してから、真桜ちゃんに「私が結界を黙らせるから、珠子さまを頼む」(←[アンカー]GM2点、真桜。[経験点]+1点)。

真桜:「は、はいっ!」はじかれたように走り出します

那須:脇を通り過ぎる真桜ちゃんに穏やかに声をかける。「落ち着いて、な?」

真桜:肩越しに振り返り、目を見て「……はい」と答えます。

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8.臣下たるもの/[ベクトルカード]での追加行動、《共鳴》発生の説明例


GM:二人に[アンカー]2点あげよう。二人ともお互いに[アンカー]をあげたようだから、1点ずつ増やして。で、二人分で[経験点]も2点増える。なお、妖怪の【反応】は2にしよう。

真桜:じゃあ【反応】4のわたしが先ですね。《パッシブウォール》を珠子さまにかけましょう。自分が一撃くらえばまずいんだけど、他の選択肢は考えられないので(←[アンカー]GM3点、那須。[経験点]+1点)。[パワーレベル]MAXで、出目は16! クリティカルして……LV2で出目は466を出目+1して577で19! 次はLV1で出目344だから、16+19+11に【強度】2を足して48です。[デザイア]は14点増えました。[暴走抑制点]1点減らします。

珠子(GM):高っ! 珠子は君が結界を張ったことに、驚いた顔をして「わたくしより、貴女を!」と《パッシブウォール》を真桜に……って、[追加行動]が必要だね。[経験点]を1点あげるから、[ベクトルカード]を僕にください。
 (コロコロ)[達成値]は62です。真桜ちゃんの[結界強度]欄に62と書いてね。

真桜:「珠子さま! わたしなどより、勾玉をっ」(←[アンカー]GM1点、那須。[経験点]+1点)。

GM:では、妖怪は珠子を狙います。

真桜:かばえませんか? 

GM:真桜ちゃんは既に行動しているので、かばえません。ただ「見せ場」となるような演出をして[ベクトルカード]をもらえば、今やったように[追加行動]でかばうことはできますよ。

真桜:じゃあ「珠子さまのお役目! 代わることなどできませんが、せめてこれくらいはっ」と言って、割って入りたいのですが(←[アンカー]GM2点、那須。[経験点]+1点)。

GM:いいでしょう。[ベクトルカード]をどうぞ。(コロコロ)LV1で12。妖怪の【強度】3を足して[達成値]は15です。

真桜:では珠子さまの前に割り込み、《ハンター》を使って妖怪の一撃を苦無で受けましょう(←[アンカー]GM2点、那須。[経験点]+1点)。[パワーレベル]2で、出目は122。[デザイア]4点増やして、[暴走抑制点]を1点消費します。

GM:1を2に置き換えて222とすれば、ゾロ目で《共鳴》が起こります。妖怪の攻撃を無効化できますね。

真桜:そうします。

那須:では【反応】1の俺だな。さきほど台詞で言ったように、珠子さまの勾玉封じを手助けし、妖怪が出現しないようにしたいのだが。どうすればいい?

GM:《ブルーウォーター》と《フェアリーアイズ》を組み合わせて判定してください。「結界を強める方法」を《ブルーウォーター》で推察し、《フェアリーアイズ》で強化するわけです。

那須:ではその組み合わせに《シューティングスター》を加え「無数の式符が結界を押さえる」という演出をしましょう。《アポート》で式符を出さないとダメですか? 

GM:いや、凄王自体が式符の化身だから、不要です。とりあえず演出がかっこよかったので、[アンカー]2点と[ベクトルカード]をあげよう。達成値が高ければ、珠子さまが身体を休める時間が増えますよ(笑)

真桜:なんてひどいことを考えるのだGMよ(笑)

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9.那須の全力/[経験点プール]の使用、《盟友》の[デザイア]計算の説明例


那須:くっ、それでは[パワーレベル]MAXで行くしかない(笑) さらに[経験点プール]を使って《盟友》・凄王の【強度】を上げたいのですが。

GM:ここまで獲得した[経験点]は14点ですか。速いなぁ。【能力値】1点上昇、もしくは《アクセス》一つ取得に[経験点]3点使います。

真桜:一気に使えるだけ使っちゃえ!

那須:ありがとう。真桜ちゃんに[アンカー]をあげよう。GMも同意したので、[経験点]15点か。よし、《盟友》の【強度】を一時的に5点あげるぞ。【強度】20だ!

GM:[経験点プール]を使い切って0になりましたね。この状態で[デザイア]をもらうと、今上げた5点の【能力値】成長はリセットされるので注意してくださいね(笑)

那須:注意しよう。(コロコロ)15。もらった[ベクトルカード]で[クリティカル値−1、暴走抑制点消費0]の効果を使うので、クリティカル値16が15に下がってクリティカル! 次もMAXで。

GM:「見せ場」なこと言えば、また[ベクトルカード]あげるよ。

那須:では、内心でこうつぶやきます。「いずれ、ここからお出ししますから。今だけは……」(カードもらって、使ってサイコロを振る)15、なんとかクリティカル。

GM:じゃあ、見せ場を作りやすいように前振りしようか。『この部屋』で力を使った君は勾玉の力に接触した。そのことで、珠子がどれだけ重いものを背負い、恐ろしいプレッシャーに曝されているのかを、一瞬にして実感する。
 かつて君が体験した、いかなる敵からも感じ得なかったプレッシャー。そして《大戦》の時に出会ったどんな脅威をも霞む恐怖だ。14歳にしかならない子供が、こんなものに日々、対峙している現実を、君は理解する。

那須:GMにカードを渡しつつ……。(静かな声で)「今だけ、お側で、お手伝いさせてください」……MAXで振りますっ!(←[アンカー]GM3点、真桜。[経験点]+1点)。

一同:[ベクトルカード]もってけぇぇっ!

那須:(コロコロ)16っ! 回った! さらにMAXで……16、16、14か。15+15+16+16+16+14+【強度】20で、[達成値]は112! [デザイア]は48点増えたけど(笑) 

GM:高っ。ちなみに48点ではないよ。君は《盟友》を使ってるよね。【能力値】合計22点だったけど、[経験点プール]で5点上げたから【能力値】合計27点だね。27点の1/4切り上げで[デザイア]7点増えるから、48+7で56点増加だよ。ということで、珠子さまが今晩、よく眠ることができる時間が112分も増えたよ(笑)

真桜:単位が『分』かよっ!(笑)

那須:ふ、悔いなし(笑) 

GM:ちなみに《盟友》の【能力値】27は君が【制御】できる上限を超えるので、維持できない。だから、今上昇させた【能力値】5点は、自分の【能力値】に振り分け直しておくれ。で、使った[経験点]はキャラクターシートの[一時使用経験点]欄に書いてね。

那須:じゃあ【強度】を3→4【制御】を6→10に上げ、[一時使用経験点]欄に使った15点を書きます(注6)

注6:[経験点プール]による《盟友》の【能力値】上昇は、例外なく上昇させた時の判定にしか適用されない。そして《盟友》の判定後に、上昇させた点数と同じだけの【能力値】が、召喚者に還元されるのである(もちろん《盟友》の【能力値】は元の点数に戻る)。世界観的に言えば、[経験点プール]とは「《ホワイトカオス》から意識的に強い力を引き出す行為」である。この場合「《盟友》を維持する力」を一時的に強く引き出した行為となる。力を引き出した主体はPCの側なので、その力はPCに還元されるのである。
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10.真桜の決意/《アポート》での武器作成の説明例

GM:さて、結界に入った真桜ちゃんは、さっき那須に説明したような、とてつもないプレッシャーを感じる。まるで強敵が群れをなして襲い掛かってくるような圧力。勾玉の禍禍しい力が、君に怨嗟・呪詛・あらゆる誘惑などを叩きつけてくる。無論、那須と珠子さまが抑えていて、この程度だ、ということも理解できる。

真桜:まったく耳を貸さずに、ハンカチをギッと裂いて、珠子さまの傷に当てますよ(←[アンカー]GM2点、那須。[経験点]+1点)。

珠子(GM):小さい声で、「ありがとう、真桜。すみません。私が至らないばかりに」

真桜:名前でよばれたよぉぉ……。

GM:そりゃぁ、珠子さまを小さいころから知っているんだろう?

真桜:「私たちが、必ずやここからお出ししますからっ!」(←[アンカー]GM3点、那須。[経験点]+1点)。
 止血が終わったら、ザッと結界からでますね。那須さんの負担を減らすために。

珠子(GM):「もっと頼りがいのある当主になりますから……」

真桜:げふっ。「珠子さまは、私たちの大切な主です」(←[アンカー]GM2点、那須。[経験点]+1点)。

GM:暖かい言葉に、珠子の目に少し涙が浮かぶ。でも、意志の力でぐっと抑えて、きっとした公人としての表情に戻す。君たちの主としての、ね。では2ラウンド目だね。【反応】4の真桜ちゃんからだ。

真桜:[経験点プール]は今5点ですか……。じゃあ3点使って【強度】を一時的成長! 3に上げます。その上で「妖物よ、これ以上の狼藉は許さないっ」と見据えます! (←[アンカー]GM2点、那須。[経験点]+1点)。

GM:[経験点プール]にもう1点入ったので、4に上げてもいいですよ。で[ベクトルカード]!

真桜:ありがとう! [一時使用経験点]欄に6点と書きますね。じゃあ、[追加行動]させてください。[パワーレベル]MAXで《アポート》し、[使い切り武器]扱いで苦無を取り出します。16! クリティカルで次はLV1で15。【強度】4を足して35ですか。[デザイア]10点増やして、[暴走抑制点]を1点減らします。

GM:[武器威力]は[使い切り武器]だと【強度】の5倍が上限です。つまり4の5倍で+20までだね。[達成値]が武器威力だけど、20が上限なので+20となります。ちなみに威力が+20に達したので目標の周囲を攻撃する[複数攻撃]も行えますよ。今回は敵が1体だから意味ないけど(注7)

真桜:では、自分の順番ですね。[パワーレベル]MAXで妖怪を攻撃します。出目は13! 回らないか……【強度】4を足して17です。[デザイア]8点増やして、[暴走抑制点]を1点減らします。

GM:こっちはLV1で出目13。【強度】3を足して16です。[経験点プール]で強くしておいてよかったですね。そっちが17でこっちが16だから、攻撃命中です。差分値の1に[武器威力]20を足して21ダメージ! こっちの[結界強度]は20なので、君の苦無が命中し、怨嗟の声と共に妖怪は消滅します。
 ということで君たちの活躍により、珠子さまは救われ、少しだけ安眠の時間を得ることもできました。よかったですね。ってところで、今回のショートリプレイを終わりにしたいと思います。お疲れさまでした。

一同:お疲れさまでした〜!

注7:[継続武器]の場合は、威力の上限が【強度】の3倍、威力を算出する[達成値]も1/2(切り上げ)となる。なお、[武器威力]が+30を越えたなら、視界内全てを薙ぎ払う[範囲攻撃]も可能。
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11.ゲーム終了後/セッション後の[経験点][デザイア]精算の説明例

GM:どうです『ホワイトカオス』は?

那須:ゲーム中に[経験点]がたくさん入ってきて、しかもその場で使えるので、展開が派手だね。あと意外と[パワーレベル]って戦略性があるのな。真桜ちゃんへの攻撃は、LV2でなければ命中していただろうし。数字管理は慣れないとそれなりに手間だね。充分遊べるレベルだとは思うけど。

真桜:《盟友》って[デザイア]増えますね。【能力値】は高いけど、[武器威力]とか[結界強度]はPCの方が高くなるから、使い方にコツが入りそうです。キャラクター作成が簡単なのはいいですね。

GM:そうだね。さて、ゲーム後の処理です。ゲーム中の[経験点]使用による一時的成長は一旦リセットされます。

那須:俺の【強度】3→4、【制御】6→10と、真桜ちゃんの【強度】2→4だね。

GM:うん。で、[経験点]プールは今0点なので、今回のセッションで獲得した[経験点]は21点。これを二人に等分割し直すので、端数切り上げでそれぞれに11点[経験点]が入ります。[取得合計経験点]欄に記入してね。この[ゲーム後の成長]は、次回このPCでゲームを行う時に、初期データとなります。仮にゲーム中に[デザイア]による成長リセットが発生しても、この「成長させた後」のデータまで戻るだけで済むわけです。

那須:3点【能力値】を上げるか、それとも《アクセス》を取るか……。迷うな。どっちにせよ、2点余るな。

GM:余った[経験点]は次回ゲーム開始時に、[初期経験点]として[経験点プール]に戻すことになります。だから、2+2で4点、最初から[経験点プール]に入っていることになりますね。

那須:では、それぞれ1点ずつ上げよう。【強度】4【制御】7【反応】2だ。

真桜:わたしは[行動系アクセス]の《ルーニークラウン》を取ります。あとは【強度】3、【反応】5に上げます。

GM:おっと、[アンカー]と[デザイア]の処理をしないと。那須は[アンカー]34点、[デザイア]69点。真桜ちゃんは[アンカー]46点、[デザイア]36点か。獲得[アンカー]の2倍以上、[デザイア]があれば、そのPCはNPC化して、次のセッションでは使えなくなってしまうんだけど……あれ?

那須:34×2で68。あれ、1点足りない。

GM:そういう時は[経験点]1点消費で[デザイア]3点低下、ということも可能ですよ。

那須:よかった。そうしよう。次回[初期経験点]は3点になるね。すまない。

真桜:なに言ってるんですか。ここでNPC化されても後味悪いですし。

GM:NPC化を避けられてよかったですね。じゃあ、[アンカー][デザイア][一時使用経験点]欄を消してください。で[アンカー]欄に【能力値】合計と同じ点数。[経験点プール]欄に、今回余った[経験点]3点を記入します。
 これで次回セッションの準備が整ったわけです。またのゲームが楽しみですね。それでは。

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